2011年10月 | ARCHIVE-SELECT | 2011年12月

≫ EDIT

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

| スポンサー広告 | --:-- | comments(-) | trackbacks(-) | TOP↑

≫ EDIT

支配人、再び・・・

あの出逢いから早3年が経ちました。

また訪れる機会があることを、彼に再会する日がくることを信じて、僕はこの3年間を過ごしました。

そしてついに、その日は来たのです。

10月29日。

ルールはわかってます。

時間厳守。

なんせ彼は、受付に始まりレストランではシェフ兼ウエイター兼皿洗い、羊の世話から、果てはハウスキーピングまで、あの場所の何から何までを一人でこなすスーパー支配人なのです。いや、だったのです。

彼がまだ、一人でいることを期待して、僕らは車を走らせました。

分刻みのスケジュールをこなす彼との、チェックイン時間の約束。
(予約はネットで行いました。電話で彼以外の方が出てしまっては、その時点で、何かが終わってしまう気がしたので。)

決して破るわけには行きません。

ハンドルを握る自分の手には、かすかな緊張を感じます。

この時の僕の気持ちは、メジャー移籍が噂されるダルビッシュに対するそれに似ていたかもしれません。

「メジャーで力を魅せつけて欲しい。でも、いつまでもファイターズで、北海道でその勇姿を見ていたい」

「ああ支配人。あの時のくたびれた表情を思い出すと、どうかたくさんの従業員たちと元気に働いていて欲しい。否、どうか一人でいて欲しい。彼以外の気配をあの場所に感じたくない」

交錯するこの思い、どちらが陰でどちらが陽というわけでもなく、きっとどちらも正解で、もしかしたらどちらも間違っていて・・・

そんな複雑な思いを抱きながら、車に充満する大吉と福助の甘臭~いかほりに酔っていました。


フェーリエンドルフ。(詳しくはリンクをご確認ください)

北海道は十勝地方の、中札内という小さな村にそれはあります。



 iphone_20111101221250.jpg 

 午後1時59分。

チェックイン予定時刻は午後2時です。

完璧なタイミング。

僕と奥さんは、近年ないほどの胸の高まりを感じながら、「市庁舎」と呼ばれる管理棟に足を踏み入れました。


20111105-1.jpg 

支配人はいませんでした。

普通に、お姉さんが出てきて、受付してくれました。

奥さんと目配せする暇もなく、丁寧な説明を受けて鍵をもらってあっさりチェックイン完了です。

拍子抜けというか何というべきなのか、

一年前、一人ぼっちで寂しそうにしてた野良犬が、家族を持って幸せそうにしているのを発見したかのような、いや違うな、

言葉に言い表せないような、ある種の喪失感を僕は感じていました。そして、同時に吹き抜ける爽やかな風のようなものも。





20111105-2.jpg 

わかってはいたのです。

支配人が全て一人でできるわけなんかないってことは。

市庁舎に入る前に、外回りに従業員らしい人たちもチラホラ見えていましたから。気づかないふりしたけど。

ただ前回来た時、あまりにもタイミングよく支配人にしか会えなかったことで僕らの中に出来上がった勝手なストーリーの続きを、もう一度、もう少しだけ見てみたかったのです。

受付の彼女は、僕らをごく当たり前の現実に連れ戻してくれました。



20111105-3.jpg 

はい、ここからテンポ変えます。

というわけで、3年ぶりのフェーリエンドルフ。

相変わらず素敵な雰囲気です。

今回は、友達のるちるファミリーと一緒です。

 

20111105-7.jpg

ミニチュアブルテリアのるちる(左)&フィノ(右)ちゃん。

どちらも性格が良く、大吉福助ともかなり仲良しです。

宿泊者は無料で利用できるドッグラン(無料なだけに手入れはいまいちで、網をくぐって脱走できます)で、『目一杯遊ばせて、夜は静かにさせよう作戦』決行です。

実は、このブログによくコメントをくれる冬姫さんもわざわざ会いに来てくれました。

お土産までいただき有り難うございました(こちらは何も用意してなくてごめんなさい~!)

大吉たちのライブのテンションにちょっと驚かれてたかもしれません。

こりずにまた会ってあげてね~


 20111105-4.jpg

今夜の宿泊先はここです。





20111105-5.jpg
 
ドッグランで、目一杯遊ばせたはずなのに、一向にテンションが下がりません。

福助は、すぐにガーガーいってつらそうになるので、注意して見ていてあげないといけません。

(早く寝ろーー、ゆっくり酒飲ませろーーー)

なんて愚痴りつつ、少し飲んだらポーーっと眠くなるんですけどね。

人間たちは、まあぐだぐだ話しながら、秋の夜長を満喫し、イイ酔い加減でそれぞれ床に就きました。

僕だけは、みんなが寝る直前に福助のテンションが上がってしまったので、一階リビングのソファーで大吉福助と一緒に寝ました。

人がいるとおとなしくしてくれるんですよね。

はい、そうです。甘やかして育てました。






 20111105-6.jpg

翌朝。

同じ北海道でも、僕の住んでる地域の風景と十勝地方のそれは趣が異なります。

僕が住む街の、見渡す限り続く田園風景も美しいけど、広大な一区画を明確な意図をもって防風林が区切る畑地帯もとても美しいです。

大地に立って眺める防風林は、畑と畑を区切るだけじゃなく、空と大地を区切っているようにも見えます。


20111105-8.jpg 

さて、ここでは、鶏を飼育しており、産みたて卵が取り放題です。

というわけで、みんなで『炊きたてご飯に産みたて生卵』を実現すべく、奴らのアジトへ向かいました。

るちるファミリーの主人が先陣を切ります。

直前にすれ違った先客が持つ買い物袋の中に、数個の卵が入っていることを確認し、多少の不安を感じていましたが、瞳が卵のようになった彼に見えていたかはわかりません。

「何がなんでも食べてやる!」と、中学生が悶々と抱える欲望と同じ絶対値くらいの生卵への思いを漂わせながら、なんのためらいもなく、朝から嗅ぐには相応しくない臭いを漂わせるその檻の中へ歩を進めていきます。

・・・・・

「ねぇわ。。。さっきの親父だ、あれはエッグハンターだ!!」

チープ!!

そのストレートすぎるネーミングに、一瞬ツッコミを入れたくなりましたが、彼は僕の2歳年上。

諦めきれずに、いろんなところを漁るその姿を、僕と嫁さんチームは暫く眺め続けました。

「は!そうだ!」

僕は思い出しました。

「汚名を返上しなければ。」

前回来た時、僕達はここで産みたて卵のゲットに成功しています。

実は、その時、鶏舎に入って卵を拾ったのは奥さんでした。

「あんな場所に、女の子を一人で入らさせて!」

なんていうような奥さんではなく、むしろ嬉々として手を突っ込んでいましたが、

なんとなく、男である僕が鶏に怯んで、奥さんが勇ましく狩りを成功させたみたいな感じになっていたのです。

「ちがうんです」

鶏なんかに怯みませんって。仕事で黒毛の牛追っかけたりしてたこともありますから。

なんていうんだろう。僕は、卵はタマゴ(若しくは玉子)として認識したいのです。

あの場所で、まさに親鶏から産み落とされたあの場所で、親鶏の股ぐらに手を突っ込んでまだ温かい卵を取るという行為は、

それはもう「タマゴ」じゃないんです。卵なんです。

食べ物じゃなく、そう、生命なんです!

と言ったら、ちょっとあれか。

伝わるかなあ。

というわけで、前回は嫁さんにとってもらい、僕の手には卵ではなくタマゴが渡されたわけです。

話を戻します。

卵がないなら、大丈夫です。僕があの時怯んだのではないということを証明します。

鶏のとこまで行って写真撮ってきます。


20111105-9.jpg 

” クワーーーーーーっ!!コッコーー!! ”

ヒーーー!超攻撃的ーー!!

「やっぱりあれだ!さっきのエッグハンターに全部持ってかれて、相当気が立ってらっしゃるわ!!」

僕は「エッグハンター」と言ってしまった自分には気づいていませんでした。

どうやら人は、感情が高まったり追い詰められたりしたときは、シンプル(チープを訂正)な表現しかできないようです。


20111105-10.jpg 

チェックアウトの時間。

料金はインの時に支払い済みなので、鍵を返すだけです。ものの一分かかるかどうか・・・

そう、僕達はまだ彼、支配人に会えていませんでした。

でも、もういいかな、とも思っていました。

支配人はあの時の支配人のまま、変わらずこの空間を支配し続けているであろうことは、

ここの変わらない雰囲気が教えてくれているような気がしましたし、また訪れる時の楽しみにもなるし。

そんな、ある種達観したような、さわやかな気分で僕達はフロントの前に立ちました。

カウンターの奥から人の気配がします。

見覚えのあるシルエット、くたびれたジーンズ、誠実さを宿した瞳、あたたかい声。


「支配人・・・」

僕の、その声にならない声は、

「安西先生・・・」と言って泣き崩れたスラムダンクの三井くんのようでした。たぶん。

僕の中で何かが終わって、そして、何かが始まった気がしました。



支配人は、頭髪が薄くなっていました。

時間は支配できないか・・・  



iphone_20111101221003.jpg 

あー、やっぱりここ楽しいです。

皆さんも機会があったらぜひ行ってみてください。


なんにも無いですが、気付かないうちに、きっと心が元気になります。



追伸

帰りに中札内の道の駅に寄りました。朝採りタマゴをゲットしました。

帰宅して食しましたが、超美味しかったです。

卵でもタマゴでもどっちでもいいや。



スポンサーサイト

| 未分類 | 15:23 | comments:5 | trackbacks:0 | TOP↑

2011年10月 | ARCHIVE-SELECT | 2011年12月

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。